しっぺ返し戦略は人間関係の道標、囚人のジレンマから学び活かす方法



日々の生活でほんの些細な事柄で、しっぺ返しをしたくなることもあるもの。それは電車の中で靴を踏みつけられたり、すれ違いざまに肩が触れたりといったこと。嫌な目にあったからと、いちいち相手に憎まれ口を浴びせても、いいことは一つもないということは、誰もが分っています。

なので、やり返すという行為自体を抑えることは、それほど面倒臭いというほどでもありません。ただその一方、やり返したい気持ちというのは、なかなか押さえていくのが難しいもの。

人の悩みのほとんどは、人間関係から生じるとされています。ここに至ってシンプルなしっぺ返し戦略というものがあり、囚人のジレンマと呼ばれる事例とこの戦略は、現実の人間関係を考える上で大いに参考になります。

ここでは、しっぺ返し戦略は人間関係の道標、囚人のジレンマから学び活かす方法を紹介しています。

 

 

 


しっぺ返し戦略は人間関係の道標、囚人のジレンマから学び活かす方法


 

| 1.人間関係上の駆け引きで、長期的な観点から有効な戦略

しっぺ返し戦略とは、至ってシンプルということ。最初は協力することから始め、以降は相手が協力した場合は協力し、裏切られた時は裏切り返すというもの。また相手側が協調的な態度をとる場合、こちらも寛容な態度で協調し返すという戦略。

現実の人間関係では、相手に攻撃され続けても我慢する対応もあれば、先に攻撃的態度にでたり、気まぐれにランダム対応してみたり、倍返しにするなど色々な対応方法があります。

ただ学問的にはこのしっぺ返し戦略が、人間関係上の駆け引きで、長期的な観点から有効な戦略だとされています。

 

| 2.銀行強盗をして捕まり、警察では2人は別々の部屋で尋問

協調と裏切りのゲーム理論囚人のジレンマ。このしっぺ返し戦略の有効性を確かめる根拠ともされるのが、ゲーム理論の囚人のジレンマ。

主旨はと言えば、自分と友人が銀行強盗をして捕まった時。警察では2人は別々の部屋で尋問を受け、取引を持ちかけられるというもの。

 

①こちらは友人が主犯とし、友人がこちらに不利な証言をしなければ、友人は5年の刑でこちらは釈放。
②こちらが友人に不利な証言をしないで、友人がこちらを主犯と証言をすれば、こちらは5年の刑で友人は釈放。
③両方が互いに不利な証言をすれば、2人とも3年の刑。
④双方が証言を拒否すれば、2人とも1年の刑。

 

この事例では、友人がこちら側に不利な証言をしないで、自分だけが友人を裏切る形になれば釈放されます。ただ同様の取引を友人も提案されていることを忘れてはいけません。その場合、友人もこちらも釈放されたいがため、相手が主犯だと言い合えば双方が3年の刑です。

友人に不利な証言をせず、友人もまたこちらに不利な証言をしなければ1年の刑期で済みますが、万が一裏切られた際は5年の服役が待っています。

実際はこれが1度限りのゲームの場合は、互いが信用できなければリスクを回避するため、相手を売るのは間違った選択ではありません。ただ、このゲームが20回、30回と続いていく場合は話が違ってきます。

 

| 3.リーグ戦形式でした、しっぺ返し戦略が合計得点でトップ

結論から言えば、継続的に囚人のジレンマゲームを繰り返すと、単純なしっぺ返し戦略が最も得点を上げるという結果になります。

これは一方的に相手を信頼し続ける戦法をとった場合、自分が不利な貧乏籤を引き続ける側面もあり得点は伸びません。更に相手を裏切り続ける戦法をとった場合は、最初のうち得をしますが、回数を重ねるごとに得点を上げられなくなります。

その他さまざまなパターンで、この囚人のジレンマを総当たりのリーグ戦形式でしたところ、しっぺ返し戦略が合計得点でトップになっています。

 

| 4.荷物の管理が悪く、貴重品がなくなったり外国人は狙い目

社会生活の中でしっぺ返し戦略を利用する場合、注意しておきたいのは短期的には利己主義が有利であるというもの。

例を挙げると、会社の中で実務に力を注いでいる人と、上司のご機嫌とりに力を入れている人では、後者が高い勤務評価を受けることが研究で出ています。これはいわゆる嫌な奴と呼ばれる人間が、上手くいくことが多いということに。

ほかにも海外旅行に出掛けた際、安宿やドミトリーでは荷物の管理が悪く、貴重品がなくなったり外国人は格好の狙い目。

 

| 5.長期的な視点で見ると、短期的な利己主義者は損をする

短期的に得をすることが多いのが利己主義なら、みんながそうなり我も我もと身勝手極まりない人々が幅をきかせるようになるもの。

前述の例で言えば、上司の機嫌ばかりとり実務を疎かにする人が増えると、チーム全体の生産性が激減し、会社そのものの利益を上げる力がなくなります。

またドミトリーや安宿で継続的に客から物品を盗むようなことがあれば、短期的には得をするかも知れませんが、そのうち客が来なくなり最後には潰れることに。このように長期的な視点で見ると、短期的な利己主義者は損をすることになるので、やはりしっぺ返し戦略が有効です。

 

 

 


しっぺ返し戦略はなぜ必要か?囚人のジレンマに学ぶ人間関係の秘訣


 

| 1.相手が上げている利益は気にしないで、自分が良い行いを

相手を妬まないこと。ゼロサムゲームはどちらかが勝てば相手は必ず負け、それぞれの勝ち負けを合計するとゼロになるというもの。

ただ実際の生活上の交際関係の大半はゼロサムゲームではなく、自分以外の誰かが勝っても自らが負けるとは限りません。しっぺ返し戦略の重要点は、相手が上げている利益は気にしないで、自分が良い行いをしているかを心掛けること。

 

| 2.関係を構築するに当たっても、先ず自分から先に行動する

自分が先に裏切らないこと。ウィン・ウィンの関係の重要性がよく言われますが、関係を構築するに当たっても、先ず自分から先に行動することが大事。自らの意思は曖昧にしておいて、相手側が協力的かジャッジできるまで待っているのは、機会を逃すことに。

確かに、裏切られたり騙されたりは嫌なもので、実際に悪い奴は最初の取引段階では利益を得ますが、それでも長い目で見ると上手くは行きません。

 

| 3.良い人を演じ続けている、結果的に長期的な利益を損なう

やられたらやり返すということ。協調することや裏切りでも、相手にそっくり返さなければならないもの。もし相手方に裏切られた際は、黙って何も言わずにいないことで、仕返しはシミュレーションで高得点を上げています。

常に良い人であることも必要ですが、やられたらやり返すをしないと、何も考えずに良い人を演じ続けているだけで、結果的に長期的な利益を損ないます。

 

| 4.時々稼げるポイントと交換に評判を失ってしまうことに

策を弄さないということ。プログラム中は時々自ら裏切り行為をすることで、相手がどれほど寛容か見極めるもの。

日常生活でも、相手が裏切りを許してくれている間は悪戯をして、相手が仕返しをしてきたら態度を改める、そんなことはよくある光景です。ただこれをすると、時々稼げるポイントと交換に評判を失ってしまうので、策を弄さないということがよりベターに。

 

 

 


しっぺ返しを食うということもあるもの、やり返したくなる人の心理面


 

| 1.やり返したくなる人物は、相手が悪いといった心理を持つ

原因は相手にあると考えるということ。自らに原因があると自覚していると、他人から嫌なことをされた際、仕方ないと踏ん切りを付けれないので、仕返しとならないもの。

やり返したくなるタイプの人は、相手の方が悪いといった心理を抱いているので、責められた事実に納得できず仕返ししたくなります。

 

| 2.気持ちを解消させたいという精神状態、結果的にやり返す

やられたことが悔しいということ。やり返す人物は嫌なことをされたのでやり返すのであり、何に対しても攻撃するわけではないもの。

やられたことに対し悔しいという感情があるので、その気持ちを解消させたいという精神状態になり、やり返す方法に最終的にたどり着きます。

 

| 3.自らの気持ちを、相手に思い知らせることができるので

仕返しの意図を分かって欲しいということ。自分が一人で我慢していると、相手側は嫌なことをしたという事実には一向に気が付かないもの。

ただ、仕返しをすると自らの気持ちを相手に思い知らせることができるので、自身の意図を知って貰いたいといった心理から、やり返したいと思うように。

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まとめ

現実の人間関係を考えると参考になる。ここでは、しっぺ返し戦略は人間関係の道標、囚人のジレンマから学び活かす方法を紹介してきました。その機会には、ぜひお役立てください。

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