話題のトピックの中に、南海トラフ地震はいつ起きるかというテーマがあるもの。現在の科学技術では予測はできないとされますが、予言をする人は多くいます。
世間には南海トラフ地震など、巨大地震の予知を期待する人は多くいますが、現時点では地震の発生時期をはじめ場所や規模など、高確率で予測する科学的に確立した手法はありません。
但し、政府の地震調査委員会によれば、南海トラフ沿いにマグニチュード8-9クラスの巨大地震が、20年以内に起こる確率は60%程度で、30年では70-80%、40年なら90%程と発表されています。
南海トラフ地震というのは、駿河湾から日向灘沖のエリアにかけてのプレートの境界を震源域とし、概ね100-150年の間隔で繰り返し起こってきた大規模地震。
前回の南海トラフ地震がいつあったかといえば1946年の昭和南海地震で、発生してから70年以上の期間が経過しています。
南海トラフ地震は被災の地域が広範囲に及ぶことが想定されていますが、地震予知は非常に困難というのは社会の共通認識とはなっていません。
それどころか、南海トラフ地震いつ来るかなどの最新予言が世の中を騒がしていて、第一印象はほとんどが嘘というものです。
ここでは、南海トラフ地震はいつ発生?真偽の程が不明な予言のオヤジ的な考察を紹介しています。
南海トラフ地震がいつ起きても大丈夫に、注意しておきたい現状認識
| 1.間隔ほどで繰り返し発生している状態が判明していると
南海トラフ地震の発生予測ということ。南海トラフ地震は、概して100-150年間隔ほどで繰り返し発生している状態が判明しているというもの。
但し、その発生間隔には非常に不規則であり、震源域の広がり方は多様なことが知られていて、地震発生時及び場所やその規模を予見することは難しいとされています。
一方で南海トラフ沿い発生の大規模地震である1854年の安政南海地震では同年に安政東海地震が、1944年の昭和東南海地震では2年後の1946年に昭和南海地震が発生。
なので、南海トラフに沿って大規模地震が発生した際は、残りのエリアでの地震発生の可能性は、平時に比べ相対的に高まることは予想されています。
| 2.感知力が人間に比較して格段に優れているというものです
動植物による予知の見込みはあるかということ。動植物は振動をはじめ電磁波に音や匂いなど、そうしたものへの感知力が人間に比較して格段に優れているというもの。
地震は地中の広い区域で、段々と岩盤変形を起こしたり地下水位が動くなど、非常に大規模なエネルギーの集中だったり解放を伴います。
地震の発生前には極微弱で特異な音をはじめ電磁波や匂いなどが、その周辺の地面だったり大気などに現れるので、それを動植物が感知する可能性もあるかも知れません。
但し、動植物は地震以外の要因によっても通常時とは異なった反応をすることもあり、地震の前の異常行動や反応をする理由は科学的に説明できていません。
| 3.地震は大地に起こる現象なので、両者はまったく別の事象
地震雲による予知ということ。雲というのは大気現象であり、地震は大地に起こる現象なので、両者はまったく別の事象というもの。
大気は地形の影響を受けることもありますが、地震雲は体系的に説明できておらず、どんな雲で地震とどんな関係で現れるのか、科学的根拠は示されていない状態です。
雲は上空の気流だったり太陽光などによって、珍しい形や色に見える事例があり、そもそも夜間は正確な形状を明確に確認することができません。
地震国の日本で一定頻度で発生する地震と形の変わった雲、そんな全く関連がない2つの現象が、見かけ上予知に結び付けられることがある程度のことと言えます。
| 4.2-3日以内前提の地震発生の怖れがある確度の高い情報
南海トラフ付近の他の地震との関連ということ。これまでにある東海地震予知情報は、2-3日以内前提の地震発生の怖れがある確度の高い情報というもの。
南海トラフ沿いでは様ざまな観測が行われていて、異常な数値が計測された場合、必ず南海トラフ地震臨時情報が発表されることになっています。
南海トラフ地震に関連する情報は、平常時と比べ南海トラフ沿いで大規模地震発生の可能性が、比較的高まっていると評価された時に発表する情報。
但し、南海トラフ地震の発生の前段階で、必ずしも異常現象が観測されるとは限らないので、南海トラフ地震臨時情報発表がなくても発生することがあります。
南海トラフ地震はいつ起きるかが問題、知っておきたい予測のプロセス
以下のような予測のプロセスを日本地震学会で行ったというアンケート結果があります。
1.地震前の異常現象がある
2.異常現象を観測できる
3.観測データから短時間で異常判定できる
4.判定結果を即座に社会に向け発表できる
この調査結果をみれば、4つの段階のいずれにしても回答の数値の幅は広く、地震研究者から見て統一見解は得られなかったということです。
1の地震前の異常現象の有無に関しては、そうした現象などないといった0%から、必ずあるといった100%まで回答に幅があります。
また、2の異常現象の観測ということでは、平均で48.4%できるといった評価となっているのは見逃せません。
但し、地震予知の成功のためには異常現象がある場合、観測をはじめ判定を下し発表ができる、これらを全部成功させなければいけません。
各研究者の評価した予知の確率を整理すれば、平均値で5.8%と中央値で1.2%と極めて低い値にとなっているのは残念なところです。
結果的に、100回程地震予知を試みても、予知情報を発表できるのは5-6回程度で、その中で予知が的中するのは1回程しかなく、発表があっても概ね地震が起こらないということにもなりかねません。
なので、地震予知に取り組む組織は世の中に大きな誤解を与えていたとされ、東日本大震災以降は高確度の予測は困難とされ、予知前提の防災対策を見直して業務関連の地震予知は終了しました。
南海トラフ地震はいつ発生?真偽の程が不明な予言のオヤジ的な考察
ここまでの経緯を見ても、地震の予知は極めて困難でいつ起こるのかは神のみぞ知るといったことになります。
但し、予知ができる確率は極めて低いが皆無ではない、そういったことを口にして非現実的な予想や予言をする人が世の中にいるのも事実。
地震予知の経緯を知らないでこうした予言に耳を傾ければ、どんどんとミスリーディングされることにもなりかねません。
また地震予知ができるといった根拠がない期待があれば、発生時には情報が貰えると思ってしまうことに繋がりかねません。
オヤジ的には天気予報のようにある確率で的中できるような状況を望みますが、一朝一夕にそうなるとは考えられません。
地震はいつ起きるかは分からないのは当然で、住んでいる家を丈夫にするとか、危険なブロック塀は撤去するなど、地震対策は目の前のできることを積み重ねるしかありません。
南海トラフ地震の予知情報がなく、突然発生しても被害を最小限に抑えられるよう、常日頃から地震対策をしていくことが現実的な対応なのは疑いありません。
まとめ
科学的に確立した手法などはありません。ここでは、南海トラフ地震はいつ発生?真偽の程が不明な予言のオヤジ的な考察を紹介しました。その折には、ぜひお役立てください。
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