一汁一菜を基本としていた昔ながらの日本の食事では、あまり聞かなかったのが便秘。食の多様化が進んだ現代社会では、困ったことに便秘に悩む人も多くいます。便秘とは、充分に便を出し切れていない状態。
食べ物や飲み物は胃から十二指腸、小腸などを通ることで液状に消化されます。その後、大腸に送り込まれ粘膜から水分を吸収、固形となる便になるというもの。通常であれば、大腸の先の直腸に便が入り込むことで便意を感じ、排便行動にたどり着きます。
便秘はこの過程のどこかで異常があると、引き起こされることになります。主な原因となっているのは、食物繊維が不足していることで便のボリュームが少ないこと。水分をしっかり摂取していないので、便が固くなっていること。
ほかにも、腸内環境が悪化していることにより、腸のぜん動運動が鈍くなっていることが上げられます。原因は人により違いますが、ここでは便秘解消にすぐ効くマッサージ方法、即効性のある食べ物や飲み物などを紹介しています。
便秘解消の食べ物のうち、即効性が期待できる自分に合ったものを選択
| 1.朝は納豆、積極的に摂取したい水溶性食物繊維を多く含有
便秘解消の食べ物のなかでも、ナンバーワンと呼ばれているのが納豆です。食物繊維の中でも、とりわけ積極的に摂取したい水溶性食物繊維を多く含有。生きて大腸に届くので、善玉菌を増加させる働きをします。
水溶性食物繊維は、便を柔らかくする効果があるので、便が固い人にはぴったり。季節にとらわれず安く手に入るのも嬉しいところで、朝は納豆と決めておくと続けるのも簡単。
| 2.主成分のオレイン酸が排便促進に繋がる、オリーブオイル
古来からヨーロッパでは、便秘に役立つとされてきたのがオリーブオイル。主成分となっているオレイン酸が便を柔らかくすることで、排便促進に繋がるとされています。近代研究でも、重い便秘の患者に大さじ2杯ずつを毎日2週間摂取したところ、ほぼすべてのケースで下剤服用量が減少という報告があります。
そのまま生で飲む必要はなく、パンにつけて食べたり、ドレッシングや炒め物などの料理に使用するなどします。
| 3.乳酸菌食品がヨーグルト、朝食やランチ等で食事と一緒に
便秘解消の食べ物として、広く知れ渡っている乳酸菌食品がヨーグルトです。腸内の善玉菌を増加させたり、免疫力を上昇させたり、血圧の上昇を抑えるなど、菌種によりさまざまな効果や効能があるとされています。
オリゴ糖と合わせて食べれば効果が上がり、朝食やランチ等で食事と一緒に継続しやすいのもポイント。1日200gを続けると、2週間ほどで効果が現われるといわれています。
| 4.オリゴ糖、即効性を求めるならヨーグルトにかけて摂取
胃や小腸などで分解されずに、大腸まで辿り着くのがオリゴ糖。到達した後は、ビフィズス菌を増加させます。その種類はダイズオリゴ糖をはじめ、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖などがあり、いずれもビフィズス菌を増大させる効果があります。
1日に摂取する目安は3-5gほど。砂糖替わりに料理に使用するほか、即効性を求めるならヨーグルトにかけて摂取。
| 5.水溶性食物繊維含有量は便の膨張と保水力を上昇、キウイ
便秘解消のスーパーフルーツ、そんな呼び名まで付いているのがキウイです。ほかの果物と比較して食物繊維量が豊富で、バナナやりんごと比べグリーンキウイは倍以上も含有。
この水溶性食物繊維含有量は、便の膨張と保水力を上昇させるので、快適な排便に繋がります。下処理の時間がかからないハーフカットは、皮の限界まですくって食べられることもポイント。
便秘解消に即効性がある、腸のもみほぐしなどすぐ効くマッサージ方法
頑固な便秘にも効き目があることで知られているのが、腸の四隅をもむ方法。いわゆる便秘は腸の便の流れが悪くなることですが、便が滞ってしまいやすいのは腸の四隅ということで、腸内環境も悪化させます。
自律神経と腸とは密接な関係にあり、揉みほぐすことで変調を改善するというもの。
| 1.腸もみ、両手の上と下を各自入れ替えて都合3分間ほど
やり方は腸の曲がり角をイマジネーション。左手で左肋骨の下付近を、右手で右腰骨の辺りをしっかり掴み、ゆっくり揉みほぐします。両手の上と下を各自入れ替えて、都合3分間ほど行います。
この腸もみの前に深呼吸をすることで、副交感神経が優位になり効果も向上。弛緩をともなう副交感神経が自律神経の上を行くと、腸のぜん動運動をもたらします。
| 2.腸さすり、腸の走行方向に沿って左から右に手でさする
基本的な腸もみだけでは排便がぴりっとしない場合は、腸さすりを併せてします。こちらは腸の進む方向に従って、左方向から右方向に手でさすることにより、さらに腸の動きを促すもの。
腸全体を刺激することになるので、より効果の期待度が上昇します。寝る前に行うのはさらに良く、睡眠中に腸の働きが活発化することで、翌日の便通が望めます。
便秘解消の飲み物のうち、即効性の望みが持てる自分に合うものを選択
便秘を解消していくためには、水分補給をすることが大切です。ただ、飲み物ならなんでも大丈夫というわけではありません。カフェインを含んだコーヒーや紅茶などの飲み物は、利尿作用があります。
これは返って体内の水分を放出するので、便を生み出すのに必要な水分を不足させてしまいます。便秘解消の飲み物のうち、即効性の望みが持てる自分に合うものを選択していきましょう。
| 1.ヨーグルトドリンク、消化管が刺激されて腸の動きが活発
食べ物にもありましたが、腸内環境を調整するビフィズス菌や乳酸菌が、豊富に入っているのがヨーグルトドリンク。消化管が刺激されるので、腸の動きが活発になります。
コンビニなどでも、さまざまな種類が揃っているので、好みのタイプを選べるのも嬉しいところ。すっきり便が出ないなと思った時には、即効性が期待できる飲み物の一つです。
| 2.抹茶ラテ、腸内環境を調整する乳成分も含まれて一石二鳥
抹茶は豊富な食物繊維を含有しています。抹茶ラテには、腸内環境を調整する乳成分も含まれ、便秘解消には一石二鳥。冷やして飲むことで、さらに効果的になります。
摂取するカロリーを気にする場合は、デザートとして摂ることも考えます。便秘解消の場合、もっとも重要なのは飲み物の種類ではなく量。一緒にお水を飲むのも即効性を上げます。
| 3.ココア、腸内環境を調整してくれる頼りになる飲みもの
バランスよく水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維を含んでいるのがココア。腸内環境を調整してくれる頼りになる飲みものです。しかし高カロリーのため、1日あたり2杯までにとどめるのがコツ。
カロリー調整のためには、ココア粉末で砂糖の入っていないものをるのがポイント。低脂肪の豆乳や牛乳に、溶かして飲むと即効性が上がります。甘さが欲しいときには、善玉菌の増加効果のあるオリゴ糖を加えます。
| 4.梅肉エキス、梅の成分は腸内細菌の釣り合いを整える効果
古くから民間療法で使われるのが梅肉エキス。お湯にとかして飲むことで、便秘解消の効果が得られると伝わっています。梅の成分には、腸内細菌の釣り合いを整える効果があります。
その梅の薬効が凝縮された梅肉エキスは、胃腸を整える効能が高いとされています。そのまま口にするのはかなり酸っぱいので、お茶やお湯に混ぜて飲むのが方法。
| 5.ごぼう茶、できれば朝起きてすぐに飲むと即効性に役立つ
水溶性食物繊維のイヌリンを、豊富に含有するのがごぼう茶。腸内でイヌリンは善玉菌であるビフィズス菌の餌となるため、その増殖の背中を押して腸内環境を調整。
また、血糖値を抑制する効果や老廃物の除去効果もあるとされています。さまざまな効能を期待されるごぼう茶は、できれば朝起きてすぐに飲むと即効性に役立ちます。
便秘解消に即効で効き目のあるレシピは、食養生と巷で話題の梅流し
頑固な便秘というと、これを食べたらすぐ治るという即効性のある食べ物はありません。基本的には地道にゆっくりと、食生活を改善するのが便秘改善への近道。とは言え即効性がある、食べ物が知りたいというのは人情。そこででるのは比較的に効き目があるという声の多い梅流し。
| 1.便秘に効果が大きい、梅流しの目的は腸内環境のリセット
梅流しに使用される2つの食材の大根と梅は、各自が胃腸に優しい整腸食材とされています。その効能は、皮に多く含有される消化酵素が毒素を分解、胃と腸の働きを整えます。特に梅に含有されるクエン酸は、腸を刺激する関係性があり、便秘に効果が大きいとされています。
やり方はそれぞれで、2日間の断食のあと行うものや、断食をせず朝から行うというものなど。どちらにせよ梅流しの目的は、腸内環境のリセット。
| 2.梅流しをするための煮大根レシピ、鍋にてんこ盛りに作る
梅流しをしている最中に食べるのは、汁がふんだんな煮大根にちぎった梅干しが入っただけのシンプルな料理。 便が出るまでは次から次へと食べ続けるので、途中で無くならないよう鍋にてんこ盛りに作ります。
梅流しをするための煮大根レシピ
①鍋に溢れるばかりに水を入れ、昆布を浸す。
②良く洗った大根を、皮ごと1㎝幅の輪切りにし入れます。
③煮込んで柔らかくなったところで火を止め、ちぎりながら梅干を入れます。
④かき混ぜて味を馴染ませたらできあがり。
味がなく食べにくい場合は、味噌を大根につけて食べます。
こちらはおなか革命。
まとめ
困ることに便秘に悩む人も多くいます。ここでは、便秘解消にすぐ効くマッサージ方法、即効性のある食べ物や飲み物などを紹介しました。困った方は、ぜひお役立てください。
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