無気力症候群に一抹の不安がある方も増加しています。最近はなんとなく疲れやすかったり、体が萎縮した感じになったり、やる気がでないなど。そんな経験は誰にでもあるもの。
ただそれが長期間に渡って継続する場合、はからずも無気力症候群となっているかも知れません。
別名を「アパシーシンドローム」とも言われているのが「無気力症候群」です。
うつ病のように全てのことに対して無気力になることではなく、その人にとって筆頭の本業に関してだけ無気力になっている状態。
社会人でなら仕事のほか、学生なら学業、専業主婦なら家事といった具合で、その人にとり本来なすべきことに対して、やる気がでないという状態です。
本来なすべきこと以外の趣味や遊びには、引き続いてやる気があるため、本人にしても気が付きにくいという特徴を持っています。
そして周りから見ると、楽しいことばかりで怠けているなどと、誤解を招きやすくなる症状。
頑張り屋の人が無気力症候群になりがちな傾向なので、叱責などをされると、やる気が失せたり症状の悪化にもつながります。
ただ、病気とも呼べない無気力症候群は、これといって効く妙薬もありません。ここでは精神科に通わなくてもいい無気力症候群の治し方を紹介します。
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精神科に通わなくてもいい、無気力症候群や意欲減退症候群の治し方
| 1.セロトニンを増やすには、太陽光を浴びることと適切な運動
生活習慣を改めるのが無気力症候群には有効で、特に1日1回、外に出て太陽の光に当たるようにするのが重要で午前中なら万全です。
人間の脳内には、アドレナリンをはじめドーパミン、セロトニンといった神経伝達物質が分泌されています。
これらの物質は、人の感情や行動に関わっていて、さらに自律神経にも並外れた影響を与えているもの。
過剰なストレスや疲労、好ましくない環境が継続すると神経伝達物質の均衡が乱れ、こうしたことは、さまざまな精神的、身体的症状を引き起こします。
特にセロトニンは、人間の精神的な面に非常に大きな影響を与える神経伝達物質で、レアルアドレナリンやドーパミンと並び、体内で重要な使命を果たす3大神経物質の一つです。
このセロトニンが欠如すると精神のつり合いが崩れ、乱暴になったり、うつ病発症の原因ともなります。
多くの現代人は室内で過ごすことが多く、このセロトニン不足の状態。
セロトニンの分泌を行うのはセロトニン神経で、太陽光を浴びることと適切な運動を行うことで活性化されます。
ただセロトニンは、眠っている間はほとんど作られません。なのでセロトニンを増やすには、朝の起きたときの過ごし方が大事になります。
セロトニン分泌には太陽光を浴びることが欠かせませんし、運動に際しては一定リズムで行う運動が、セロトニンの分泌を向上させてくれます。
「無気力症候群」や「意欲減退症候群」のように、精神的な平衡を失っていると感じた際は、朝の過ごし方に問題がないかを検討。
毎日、朝早く日の光に当たりながら、15分ほどのウオーキングを楽しむと無気力症候群の克服に役立ちます。
| 2.栄養バランスの観点からも、1日3食の習慣を守る
健康維持のためには規則正しい食習慣も大事なこと。だいたい決まった時間に、少量を3食摂るのが良いとされています。
忙しい現代人は、3食をきちんと摂らない場合も多々。3食の習慣が壊れると、脳に対してのエネルギー不足に陥るほか、1回の食事量が増えることで肥満などにも繋がります。
現に力士などは、わざと食事の回数を減らすこともあるほど。栄養バランスの観点からも、1日3食の習慣を守るのが良いようです。
食事の内容についても注意で、セロトニンは必須アミノ酸の一種である、トリプトファンから合成されます。
ただ体内のなかでは生成されないため、良好なたんぱく質を食べ物から摂る必要があり、トリプトファンを豊富に含む食品は、大豆や豆製品に乳製品などです。
そのうえトリプトファンからセロトニン合成する際、ビタミンB6が不可欠となります。
こちらのビタミンB6を豊富に含む食品は、玄米をはじめ、小麦胚芽や、豚、牛、鶏のレバー、鰹やマグロの赤身など。無気力症候群の女性の方は、これらの食品の摂取不足を確認してみましょう。
| 3.体内時計をしっかり機能させ、質の高い睡眠をとる
質の高い睡眠をとることで、ホルモン分泌を促し生活に規則性を持たせます。人間は暗闇の洞窟内で生活しても、ある程度は規則正し睡眠や起床を繰り返します。
これは体の中に組み込まれた、体内時計のリズムに基づいて生活しているから。
体内時計はというと、脳に中枢時計があり、体中の至る所に末梢(まっしょう)時計があります。このなかの中枢時計の1日は、24時間+αの周期で回っています。
体内時計の周期に基づき、夜眠くなり朝に目覚めるリズムが概日リズム(サーカディアンリズム)。概日は「およそ1日」の意味。
概日リズムの影響は大きく、睡眠をはじめ、血圧や脈拍に体温調節、ほかにもホルモンの分泌や免疫など多方面に及びます。
目覚まし時計などを使用しないで朝起きられるの人は、この体内時計がしっかり機能しているからです。
この体内時計を使用して、目覚ましアラームなしに起きる自己覚醒法も人気の一つで、就寝の前に、目覚めたい具体的な時刻を強く意識するだけです。
朝早く起床することで、無気力症候群の解消に役立ちます。
| 4.精神科に通うのが気後れする方は、カウンセリングを推奨
精神療法も一方の改善策の一つです。病院でうつ病と診断された場合、薬による治療の必要性があります。
ただこの際、薬物療法のみの治療より、精神療法を利用した方が治りも早く、再発も減少するとされています。
無気力症候群は前記のように、目標を急に喪失することでなりやすい症状で、新しい環境で新しく目的が持てると、前に向かい進みやすくなります。
この新しく目的を持つのに、精神療法は非常に役立ちます。
病院に行くのは心が重い方や、精神科に通うのが気後れする方は、オンラインカウンセリングを推奨。
| 5.無気力症候群を、未然に食い止めることの重要性
普段から無気力症候群を、未然に食い止めることの重要性を認識するのが大切です。
未然に防ぐには、完璧主義を志向しないや、失敗を思い悩まない、時に肩の力を抜き休息にするといったことが有効になりかねません。
真っ正直な性格や完璧主義というのは、急に変えられるものではありませんが、日頃から少しずつ意識をしていくことで改善に繋がります。
あまり周囲と比較して競争などはせず、自分のペースで行動。また期待に応えるより、自分が試したいことを考えるようにする、こういった意識だけでも予防効果が上がります。
無気力症候群に転換する原因
無気力症候群に転換する原因は、いくつかあるとも言われていますが、人生のなかで大きな目標を見失った時などになりやすいとされています。
例をとると、一生懸命に勉強して志望大学に入学した後、頑張って就活をし社会人になった後、子育てが終わり子どもたちが全員自立した後などです。
一つの目標を達成した後に、次なる目標を見失い無気力になる傾向。
なかでも、それまでの目標が自分で掲げた目標ではなく、周囲の期待だったり、見た目などによる目標の場合。次の目標を自分で掲げることができず、無気力症候群になってしまう可能性があります。
まとめ
なんとなく疲れやすかったり、体が萎縮した感じになったり、やる気がでないなど、そんな経験は誰にでもあるもの。長期間に渡って継続する場合、はからずも無気力症候群となっているかも知れません。
ここでの精神科に通わなくてもいい、無気力症候群や意欲減退症候群の治し方を使って、生活習慣から治療や予防をしていきましょう。
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