日々の会話の中で、オウム返しをしている人もよく見かけるもの。同じ言葉を単に繰り返されると、当初は面白く感じるかも知れません。
ただ、単におうむ返しされると不愉快に感じる瞬間もあります。それは、相手がこちら側の話題に対して、まったく興味を感じていない様子に見えるとき。
時には相手に馬鹿にされている、そんな感じ方になることもあります。
このオウム返しとは、相手が喋った言葉をそのまま繰り返すことですが、コミュニケーションが心地よくとれると心理学では考えられています。
それはバックトラックと呼ばれるもので、返報性原理を利用し、他者の好意には好意で返答するという人間の深層心理が理由。
人は会話している時、相手がちゃんと自分に興味を持っているか、些細な事柄で判断しているもの。
ここでは、オウム返しのテクニックを活用、さらに人間関係を充実させていく方法を紹介しています。
様々なことが働いている、すぐにおうむ返しをしてしまう人の心理面
| 1.親近感を抱かせようとする、仲良くなりたいという心理面
仲良くなりたいという思いから。喋っている相手の言葉を繰り返すことで、親近感を抱かせようとするのは、仲良くなりたいという心理面。
オウム返しには話を適切に理解しているという意味もあり、興味があることを示したい態度。
| 2.相槌のような役回り、返答代わりにオウム返しをしている
すぐに返事をしたいという思いから。無言になることで相手に嫌われたくないという感情が強いため、とりあえず返す返事としてオウム返しを使う人もいます。
役回りは相槌のようなものとして使いやすく、返答代わりにオウム返しをしている人も多いもの。
| 3.同じ言葉を繰り返すこと、周りの人を笑わせ盛り上げる
会話を盛り上げたいという思いから。相手が喋っていることをオウム返しでリアクションする人は、会話をさらに盛り上げたいという心理から。
同じ言葉を堂々と繰り返すことで、周囲の人を笑わせ、活気づけようと頑張っています。
| 4.質問のような格好でオウム返し、相手に話しを進めて貰う
もっと話を聞きたいという思いから。さらに突っ込んだ詳しい話を、聞きたいという心理面から、オウム返しする人も多くいます。
質問のような格好でオウム返しを使い、相手により話しを進めて貰えるような会話形式として使われます。
| 5.自身の喋った言葉を繰り返される、きちんと理解している
相手に同意していることを、伝えたいという思いから。相手に同意していること知って欲しい心理面で、鸚鵡返しをする人も多くいます。
自身の喋った言葉を繰り返されると、きちんと理解しているという安心感を相手に伝えることができます。
オウム返しの意味をよく理解すること、相手の胸に響くそのテクニック
鸚鵡返しには、それほど良い印象を持っていない人もいるもの。ただオウム返しというのは、上手な進め方を身に着けると、より深くコミュニケーションをとることができます。
これはコミュニケーションを苦手とする人には、ぜひ知っておいて欲しいやり方。返答する際には相手の心に響く、鸚鵡返しが必要です。順番に見ていきましょう。
| 1.相手の話し方や表情、その内容を判断する聞き上手の姿勢
最も重要なオウム返しのテクニック的な面が、聞き上手でいること。相手が喋っていることを、全部オウム返しするのが、テクニックというものではありません。
互いに気持ちが通じる会話は、職場や友人など至るところで求められます。
努力しても壁が出来てしまうのは、聞き方が判らないため。オウム返しの上手なテクニックを身につけると、人間関係が充実していくのは、より良い聞き方ができるようになるからです。
例をあげると、「昨日映画行った」と相手が言った場合、同じように「昨日映画行ったんだ」と繰り返せば、不愉快なオウム返しになります。
上手なおうむ返しは「映画に?」と、効果的な単語だけを返答して、心地よく相手が会話を続けられるよう意識。
それをするためには、ちゃんと相手の話し方や表情、その内容を判断する聞き上手の姿勢が必要です。
| 2.人間の潜在意識は、好意がある人には自ずと真似する習性
相手のペースに合わせていくということ。鸚鵡返しのテクニックは、相手のペースに合わせていくのも一つのポイント。
言葉だけを真似していくのは、局面により失敗する可能性があるので、オウム返しする際には、話し方や声のトーンも合わせるようにします。
例をあげると、興奮して速い調子で話す人には、同じスピードで相槌を打つこと。言葉を選び丁寧にゆっくり話す人には、同様に時間をかけて反応するなど。
また仕草も同じことで、相手がしていることを間接的に真似すると親近感が湧き、一足踏み込んだコミュニケーションができるかも知れません。
例をあげると、食事をしている時に同じように水を飲んだり食事が終わったりすると、自分に共感したみたいで好感が持てます。
人間の潜在意識には、好意がある人には自ずと真似する習性があります。
なので、苦手な人と対話する際は、振る舞いにおいてもオウム返しを認識すること。
| 3.コミュニケーションに感情が加わる、相手と距離感が近く
相手の心に響く感情をオウム返しすること。オウム返しのテクニックを知らないと、逆に人間関係が悪化する可能性もあります。
相手の心を打つオウム返しをするためには、話し言葉だけでなく「感情」をおうむ返ししてみること。
例をあげると、友人の失恋した告白のとき。「昨日彼氏と別れた」と話された時、同様に「昨日彼氏と別れた?」とオウム返しすると少し噛み合いません。
会話の中で感情が溢れている場合、その気持ちを言葉に替えてオウム返しします。それは「悔しいね」や「辛かったね」など。
ネガティブな局面なら悲しい表情だったり、ポジティブな局面なら笑顔で反応など、相手側の心情と同等レベルで鸚鵡返しするのがコツ。
自らの気持ちを察してくれる人には、逆に同じような心を込めた接し方をしたくなるもので、感情がコミュニケーションに加わると、相手との距離感がさらに近くなります。
ビジネスシーンでは不可欠なもの、知っておきたいペーシングの方法
ビジネスシーンにおいて雑談は不可欠なもの。無理に話しをしようとするあまり、自分が話したいことや聞きたいことばかりが先行、会話が盛り上げるどころか、相手の気分を害してしまうことも。
信頼されない人は、相手と波長が会っていないからとされます。
目の前の人との会話の中、信頼関係を築く上で欠かせないのが、波長合わせの技術になります。
心理学ではぺーシングと呼ばれ、相手のぺースに合せる非常に重要なスキル。順を追ってみてみましょう。
| 1.アゴの動きと全く同じリズムで、自分のアゴも動かすこと
最初はボディーランゲージのぺーシング。これは喋っている相手の身体の動きに合わせて、自分の動きを共鳴させるようなイメージ。
実行するのはなかなか難しいものですが、体のあるところの動きをぺーシングすると、体全体の動きが一致するとっておきの場所があります。
その場所は顎(アゴ)。やり方は先ず質問をします。
相手が答えるため口を動かしているとき、当たり前ですがアゴが動きます。
このアゴの動きと全く同じリズムで、自分のアゴも動かすこと。同じテンポと同じ深さで、相槌を打つということになります。
リズムが同じ調子の人ばかりではなく、自分より遅い人や速い人もいます。
そんなとき、相手に合わせていけることが大切で、こうしていくと何となく反りが合わないと感じる人が減り、どんな相手でも楽に会話ができるようになります。
| 2.返事をじっくり待つ、深い信頼関係を築くことに繋がる
2つ目は声のペーシング。これには4種類あり、最初は声のテンポを合わせるということ。
顎の動きのテンポが合っていると、話すテンポも合っていくもの。
早口の人には歯切れよく相槌を打ち、ゆったりと話す人にはのんびりゆったりと相槌を返します。
これらは、顎のぺーシングとリンクしています。
次は音程を合わせるということ。声の音程やキーを合わせていきます。
声が低い人には無愛想にならない程度に、声を暗く低くします。
反対に明るくて声が高い人に対しては、地声よりも少し高いキーに。
音程を合わせたら、続いて音量の調整。声が大きい人にはこちらも大きく、声が小さくて囁くように話す人には、こちらも同じ音量に合わせ話します。
声のテンポと音程、音量が合うようになったら、最後に間を合わせていきます。
テンポよく話す人たちの「間」は、大体短いもの。問題となるのは、ゆっくりと囁くように話す人です。
質問すると、返事が返ってくるまでの間がとても長い人がいるもので、こうした返事をじっくり待つことは、深い信頼関係を築くことに繋がります。
| 3.上手いとされる確実な返し方、相手の言葉をそのまま使う
最後になるのが、前述した言葉のぺーシング。これはオウム返しで上手くいく方法です。
違う例をあげると、ゴルフが好きなんですよという言葉に続く会話での、いつも行っているコースは?、いつから始めた?、使っているクラブは?など、自分が聞きたいことばかりになること。
これは上手いオウム返しではなく、これらの質問は、聞き手の好奇心や興味から湧き出たものだからです。
最も上手いとされる確実な返し方は、へえ、ゴルフを?、こんな感じで相手の言葉をそのまま使ったもの。
これが、言葉をぺーシングした言い方で、不思議そうな顔をしながら聞くのがポイント。前述の方法と合わせて使います。
まとめ
鸚鵡返しをしている人も見かけるもの。ここでは、オウム返しのテクニックを活用、さらに人間関係を充実させていく方法を紹介しました。その折には、ぜひお役立てください。
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